第3回

時間で光の量を調整する「シャッター速度」

シャッター速度とは

シャッターは、撮像素子に光を当てる時間を調整する機構です。最近のカメラに搭載されるフォーカルプレーンシャッターは、2枚の幕(先幕と後幕)が通過する時間差で光の当たる時間を調整していて、シャッターが開いてから閉じるまでの時間のことをシャッター速度と言います。シャッター速度が速いと、取り込まれる光の量が少なくなり暗い写真になり、逆にシャッター速度が遅いと、取り込まれる光の量が多くなり明るい写真になります。

シャッター速度がもたらす動感

シャッター速度は、単純に光の量を調整するだけなく、写真の動感にも影響します。例えば、次の写真を見比べてみてください。

シャッター速度1/2000秒の噴水の写真

シャッター速度1/2000秒

シャッター速度1/60秒の噴水の写真

シャッター速度1/60秒

シャッター速度0.5秒の噴水の写真

シャッター速度0.5秒

速いシャッター速度で撮影した写真は、水がピタッと止まっているのに対し、遅いシャッター速度の場合、動きのある写真に仕上がります。更にシャッター速度を遅くすると、水が絹のようにサラサラとした感じになります。水を絹のように撮影したい場合は、三脚でカメラを固定することでカメラブレを防ぐことができます。また、シャッター速度が非常に遅い場合は、露出オーバーになりがちです。このような場合、取り込む光の量を少なくしてくれる「NDフィルター」を使用すると、発色に影響を与えることなく、光の量を少なく撮影できます。(※各種フィルターの使用方法については、応用編で紹介します。)

シャッター速度の特性

「絞り」と同様に、「シャッター速度」も1を基準に「1、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60…」のような数値で表されます。光の量を半分にすることを「シャッター速度を1段速くする」、逆に光の量を倍にすることを「シャッター速度を1段遅くする」と言います。

シャッター速度の変わり方

シャッター速度の変わり方

一般的な一眼レフカメラは、1/4000〜30秒の間でシャッター速度を調整でき、1/8000秒でシャッターを切れる機種も発売されています。あまり使用することはありませんが、シャッター速度1/8000秒では、水しぶき1粒1粒を写し取ることができます。

シャッター速度1/8000秒の噴水

シャッター速度1/8000秒の噴水

ブレにくいシャッター速度

カメラを始めたばかりの頃は、ブレた写真を量産してガッカリしてしまうことが多いでしょう。私自身もそうでした。プレビュー画面では綺麗なのに、パソコンに取り込んでみると微妙にブレているというのはよくあることです。これにはいくつか原因があります。

  • シャッター速度が1/60秒以下になっている
  • 望遠で撮影している

まず1つ目の「シャッター速度が1/60秒以下になっている」というのは私の経験に基づいた話ですが、1/60秒より遅いシャッター速度は手持ちが厳しくなってきます。もちろん1/50秒でもブレないときはブレませんが、1/125秒でもブレるときはブレます。そのため、あくまで1つの目安として考えておくとよいでしょう。
そして2つ目の「望遠で撮影している」というのは、焦点距離が200mm(35mm判換算)など望遠で撮影する場合のことです。広角よりブレの影響がでやすい望遠は、シャッター速度を通常よりも速い目に設定しておく必要があります。一般的には、「1/焦点距離」が手持ちの限界と言われており、焦点距離が200mmの場合、1/200秒よりも速いシャッター速度にすることで、ブレの発生率を少なくできます。

Kazuya Tamakoshi
パーフェクトカメラのディレクション、コンテンツ制作を担当。 大手SIerにて医療系システム開発に従事した後、株式会社フランリベルを設立。エンジニアとしてプログラムを書く傍ら、趣味が高じて撮影の仕事をはじめる。