第5回

露出モード

露出モードとは

「露出モード」は、「撮影モード」などと呼ばれ、絞りやシャッター速度、ISO感度の設定をカメラに委ねるか、撮影者が設定するのかを選択するためのものです。メーカーや機種が違えど、主に以下のようなモードがあります。(※ここでは、Canonを例に説明します)

露出モードを一覧化した図

露出モード一覧

オート(各種シーンモード)

オートモードは、すべての設定をカメラが決定する全自動モードです。カメラが自動でシーンを解析し、絞りやシャッター速度、ISO感度を決定してくれます。また、ポートレートや風景、クローズアップ、スポーツなどの各種シーンモードは、カメラがその状況にできるだけ適した設定を行うため、満足度の高い仕上がりになります。カメラを購入して間もない頃は、オートモードで撮影することが多いと思いますが、一眼レフやミラーレスカメラを所有しているのであれば、今すぐ卒業したいモードです。
クアラルンプール空港の掲示板(オートモードのサンプル)

オートモードのサンプル

プログラムAE【P】

被写体の明るさに応じて、カメラが「絞り」と「シャッター速度」を決定するモードです。露出は、カメラが自動的に決定してくれるため、構図をじっくり考えたいときやシャッターチャンスを逃したくないシーンに向いています。AEは、「Auto Exposure」の略で、自動露出を意味しています。
天保山大観覧車(プログラムAEのサンプル)

プログラムAEのサンプル

絞り優先AE【A/Av】

撮影者が「絞り(F値)」を設定し、カメラがシーンに応じた明るさをシャッター速度で調整してくれるモードです。撮影者好みに絞りを調整できるため、ポートレートで背景をボカしたり、風景で全体的にピントを合わせたり、状況に応じたボケ感を表現するのに向いています。
出窓に飾られた花瓶(絞り優先AEのサンプル)

絞り優先AEのサンプル

シャッター優先AE【S/Tv】

撮影者が「シャッター速度」を設定し、カメラがシーンに応じた明るさを絞りで調整してくれるモードです。撮影者好みにシャッター速度を調整できるため、動きの速いスポーツや乗り物など、動感を出したい場合に向いています。
奥多摩の川の流れ(シャッター優先AEのサンプル)

シャッター優先AEのサンプル

マニュアル【M】

撮影者が「絞り」と「シャッター速度」の両方を設定し、露出を撮影者が決定するモードです。状況に応じて絞りとシャッター速度を調整する必要があるため、慣れないうちは苦労するかもしれませんが、柔軟に露出を設定できるのが特徴です。
昭和記念公園の木(マニュアルのサンプル)

マニュアルのサンプル

バルブ【B】

マニュアルと同じく、撮影者が「絞り」と「シャッター速度」の両方を設定し、露出を撮影者が決定するモードです。マニュアルとの違いは、シャッターボタンを押している間、シャッターが開いたままになり、シャッターボタンを離すとシャッターが閉じる点です。花火など、予めシャッターを開けておきたい時間がわからない場合に向いています。
星空(バルブのサンプル)

バルブのサンプル

オートモードからの脱却

この記事の読者には、「オートモードを脱却したい」と考えている人が少なからずいるのではないでしょうか。最近のカメラの性能は高く、モードダイヤルをオートに合わせてシャッターボタンを押すだけでそれなりの写真が撮れますが、本当に撮りたい絵になっているでしょうか。

  • もっと明るくしたかった
  • 背景をボカしたかった
  • 全体的に黄色くなった

などなど、カメラ任せにしてしまうと思い通りに撮影できない点があるはずです。そんなあなたにオススメしたいのが、「いきなりマニュアルモード」です。実際のところ、カメラの知識が身につけば「プログラムAE」でも「絞り優先AE」でも、「シャッター速度優先AE」でも「マニュアル」でもできることはほぼ同じです。しかし、その知識を身に着けようとしている段階で、「プログラムAE」や「絞り優先AE」を多用してしまうと、「絞り」や「シャッター速度」、「ISO感度」の関係性がなかなか理解できません。オートモードからマニュアルモードにすると、イージーモードからベリーハードモードに変えるぐらいの差があります。これから「絶対写真の腕を上げたい」「いずれプロになりたい」という志をお持ちの方は、ぜひマニュアルモードで鍛錬してみるとよいでしょう。最初のうちは、白飛びしたり黒つぶれしたりして、今までより確実に写真のクオリティは落ちると思いますが、慣れてくると露出を合わせやすく「日中はこれぐらいのISO感度で、このぐらいのシャッター速度か…」といったイメージができるようになります。パーフェクトカメラを通して、「偶然うまく撮れた」ではなく、「確実に思い通りの写真が撮れる」ようになる人が一人でも多くなると嬉しいです。

Kazuya Tamakoshi
パーフェクトカメラのディレクション、コンテンツ制作を担当。 大手SIerにて医療系システム開発に従事した後、株式会社フランリベルを設立。エンジニアとしてプログラムを書く傍ら、趣味が高じて撮影の仕事をはじめる。