第2回

ホワイトバランスの設定

ホワイトバランスの種類と特徴

デジタルカメラが主流になり、以前と比べると「オート(AWB)」機能が高性能な機種も増えてきました。「オート」は、撮影状況に応じてカメラが適切な色味に補正してくれるため、とても便利なモードです。しかし、私たちが実際に見えている色味を完全に再現できるわけではありません。ホワイトバランスの種類と特徴について学び、撮影シーンに応じてホワイトバランス設定を使い分けできるようになりましょう。
デジタルカメラのホワイトバランス設定には、機種やメーカーによって呼び方が異なりますが、主に以下のようなモードがあります。上位機種になると、色温度を直接設定できる機能も用意されています。(※以下、Canonを例に説明します)

ホワイトバランスの種類

ホワイトバランスの種類

オート(AWB)

「オート」モードは、オートホワイトバランス(AWB)のことで、カメラ側で撮影時の光源の状況を判断し、自然な色合いに調整してくれる機能です。移動が多い撮影、たとえば室内と屋外を頻繁に行き来する場合など、光の状況が目まぐるしく変化するシーンにオススメの設定です。もちろん、室内は「蛍光灯」、屋外は「太陽光」のようにホワイトバランス設定を使い分けても良いのですが、撮影に夢中で設定を戻し忘れて失敗した、というのはよくある話です。露出や画角に集中したい、シャッターチャンスを逃したくないという場合も、「オート」を使ったほうが良い結果を生むでしょう。
箱根神社の狛犬

箱根神社の狛犬

白熱電球

「白熱電球」モードは、室内の電球照明下での撮影に適しています。赤っぽく写りがちな電球照明に青みをプラスして適切な色味に補正します。最近の室内照明は蛍光灯が主流ですが、オシャレなカフェや結婚式場などで、間接照明として使われていることが多いですね。
マリベル京都本店の店内

マリベル京都本店

白色蛍光灯

「白色蛍光灯」モードは、蛍光灯が点いた室内での撮影に適しており、メーカーによっては「電球色蛍光灯」「温白色蛍光灯」「昼白色蛍光灯」などさまざまな種類があります。「白熱電球」モードと同様、青みをプラスするホワイトバランスです。ホワイトバランスの好みは人それぞれですが、夜景を撮影する際にもオススメです。日本の夜景は蛍光灯が多く使われているため、「オート」よりも「蛍光灯」のほうが自然に写ります。ただし、イルミネーションなどのさまざまなカラーが混じった電飾の撮影には不向きです。
横浜大さん橋の「くじらのせなか」

横浜大さん橋の「くじらのせなか」

太陽光

「太陽光」モードは、晴天の屋外での撮影に適しており、メーカーによっては「晴天」「晴れ」と呼ばれています。晴天に限らず、夕焼けは夕焼けっぽい色、曇り空は曇りっぽい色など、その場で感じる光の色を自然に表現してくれます。多くの方はあまり馴染みがないかもしれませんが、太陽光モードはフィルム感覚で撮影できると言われています。フィルムカメラの場合、「デーライトタイプ(5500K)」と「タングステンタイプ(3200K)」の2種類のフィルムがあり、光源に合わせて使い分ける必要があります。デジタルカメラの「太陽光」モードは「デーライトタイプ」のフィルムに近い表現ができるため、積極的に使っているという方も多いのではないでしょうか。

箱根神社の「平和の鳥居」

箱根神社の「平和の鳥居」

くもり

「くもり」モードは、曇天の屋外での撮影に適しており、メーカーによっては「曇天」と呼ばれています。青っぽく写りがちな曇り空に赤みをプラスして適切な色味に補正するモードです。「オート」や「太陽光」で撮影していて、「少し青っぽいな、赤みが欲しいな」と感じた場合、まずはこのモードを試してみると良いでしょう。
高尾山の緑の植物

高尾山の緑の植物

日陰

「日陰」モードは、晴天の屋外で太陽光が当たらない日陰での撮影に適しています。設定される色温度が非常に高い(=青っぽい)、つまり赤みが強く補正されるモードです。私の場合、このモードを使うシーンは限られており、太陽の光が届かないほど木が生い茂った山奥や、夕焼け空の印象を強く表現したい場合など、意図的に赤みをプラスするために使います。
お台場海浜公園の夕焼け

お台場海浜公園の夕焼け

ストロボ使用

「ストロボ」とは、写真撮影の際に使用される発光装置、いわゆる「フラッシュ」のことを指します。ストロボにはいくつか種類があり、カメラ本体に取り付ける「クリップオンストロボ」、撮影スタジオ等でよく使われている「ジェネレータ」、持ち運び可能な大型ストロボ「モノブロック」などがあります。「ストロボ使用」モードは、これらのストロボ使用時に適したモードとされていますが、個人的にははほとんど使用したことがありません。というのも、ストロボを使う際は必ずと言っていいほどRAW形式で撮影しており、撮影後にホワイトバランスを補正するためです。
少し話は逸れますが、このようにRAWデータを調整してJPEG画像に変換することを、フィルムカメラの現像になぞらえて「RAW現像」と呼びます。RAW現像は、写真の色を自分の思い通りに表現するために欠かせない知識ですので、詳しくは次のレッスンで学んでいきましょう。
撮影スタジオのライティング機材

撮影スタジオのライティング機材

マニュアル

「マニュアル」モードは、マニュアルホワイトバランス(MWB)のことで、撮影場所の光源にあわせてホワイトバランスを設定するときに使用します。メーカーにより具体的な設定方法は異なりますが、白い被写体を撮影し、撮影画像を選択することによって、ホワイトバランス情報が取り込まれる仕組みになっています。「グレーカード(18%標準反射板)」と呼ばれる無地のグレー板を使用すると、より正確なホワイトバランスを取得できます。
セミナールームの写真

セミナールーム

色温度

「色温度」モードは、色温度を直接設定できる機能で、機種によってはこのモードが用意されていない場合もあります。他のモードに比べて柔軟にホワイトバランスが設定できる一方、撮影時の光の色や状況に応じて調整しなければならないため、最初は難しく感じるかもしれません。私の場合、結婚式のスナップ撮影はこのモードを使うことが多く、特にチャペルや全灯状態の披露宴会場などは、色温度を固定して撮影しています。結婚式といえば純白のウェディングドレスですが、照明によって黄色っぽく写ることがあるため、白く透明感のある写真に仕上がるようにホワイトバランスを調整することが多いです。ただし進行内容によっては、いきなり暗転したり、カーテンが開いて外光が入ってきたりすることがあるので、ホワイトバランスの設定変更を忘れないよう細心の注意が必要です。

チャペルのバージンロードに飾られた白い花

バージンロードの白い花

Rie Narita
パーフェクトカメラのサイト構築、コンテンツ制作を担当。大手医療系システム会社にてサポート業務に従事。大阪の写真学校を卒業後、ブライダルカメラマンに転身。その後、株式会社フランリベルの立ち上げに参画。